幻の県道
かつて、青森県にはみちのく有料道路とは違う津軽と南部を結ぶ最短ルートが存在した!
この物語はそのルートを踏破するために幾度となく幻の県道に挑んだ筆者の実録体験談である。


 私はバイクで山を、獣道を、走るのを趣味としているのであるが、ある日、 地図を見ていて偶然そのルートを発見してしまった。
それからは本当に地図の通りの道があるのか、 そして、それがバイクでも通れるのか、それとも歩いてでなければ通れないのか、またまた今ではもう、 草の生えた通り抜け不可能な道なのか、実際にこの目で確めたくて、どうしようもない強い衝動に駆られていた。
 勿論、その時はまだ、「幻の県道」と黒石の地元の人達が呼んでいると言うことも知る由も無かったのである・・・・・

 奥法峠から入り現在の青森市の城ヶ倉、酸ヶ湯に至る道は14世紀頃から津軽と南部を結ぶルートとして人馬の往来があったとされる。
 この探索ルートが完全に同一か否かは定かでないが、1936年(昭和11年)9月3日には秩父宮殿下率いる歩兵31連隊第3大隊が北海道での大演習に先立ち弘前から黒石市六郷地区を経由して酸ヶ湯までの八甲田山麓強行軍を決行、 法峠寺、城ヶ倉を抜け、酸ヶ湯へ到着した記録が残る。
 同年度、それをきっかけに黒石市上十川を経由し酸ヶ湯へ抜ける黒石〜酸ヶ湯線が認定すべき県道路線に挙げられ、1938年5月に当時の内務省が県道編入を認可した。
 しかし、その道は戦前戦後の混乱期を経て整備される事も無く、歴史と山の自然の中に埋もれていった。
この歴史こそが幻の県道と呼ばれる所以なのである。
 そして、私はこの幻という言葉に惹かれ幾度も困難に遭いながらもこのルートを踏破するまで挑戦し続ける事になったのである・・・・・

デュプロ株式会社 青森営業所
笹森久詩



 五年の歳月をかけて、幻の県道の全コースを踏破した筆者の実録体験談、著書全文は、ホンダ・ウィング・ショップ青豊にて紹介しています。
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